GSアライアンス株式会社(Green Science Alliance Co., Ltd.:環境、エネルギー分野の最先端材料、技術を研究開発する化学会社/本社:兵庫県川西市)はこれまで各種の量子ドット、量子ドット複合材料を研究開発、事業化してきました。この度、同社の岩林 弘久研究員と森 良平博士(工学)は、同社で合成しているグラフェン系量子ドット、炭素系量子ドットを元にシリカ複合材料を作り、440 - 470nmの青色を発光するLEDの上にこの材料を担持することにより、白色LEDが作れることを明らかにしました。炭素系量子ドット、グラフェン量子ドットのシリカ系無機材料との複合体を用いた白色LED用材料としては世界初です。 青色発光LED(左) 青色発光LEDに今回開発した量子ドット複合材料を担持したもの(右) 従来の白色LED(左)と今回開発した量子ドットLED(右)の比較概念図 可視光の中で赤(RED)、緑(GREEN)、青(BLUE)の三色の光は光の三原色とよばれます。人工的に白色光を得るためには、三原色のすべてを含む幅広い発光スペクトルをもつか、または赤、緑、青の三原色に対応する複数のLED(でそれぞれ発光する材料)を組み合わせることが必要となってきます。しかしながら、現在の大多数の白色LEDにおいては、三色を用いることはコストの観点からもあまりなく、窒化ガリウム(GaN)などの青色LEDと、補色の黄色蛍光体の組み合わせが最も多く用いられています。既存の白色LED用蛍光体や黄色蛍光体の代表的なものとしてYAG系と呼ばれる(Y,Gd)3(Al,Ga)5O12:Ce3+や(Ba,Sr,Ca)2SiO4:Eu2+が挙げられます。また最近は窒化物、酸窒化物及び硫化物などの蛍光体もあります。 一方でこれらの半導体系の蛍光体は、その材料組成に依存した一定の決まった波長しか発光せず、発光波長の微調整が難しいという課題もあります。この点量子ドットは、可視スペクトルのほとんどすべての色に光を変換することが可能です。量子ドットの合成時において組成の違い、量子ドットサイズの違いをつけて、発光色を調整することができることが最大の利点です。また現行使用されているYAG系材料などの蛍光体材料はミクロンサイズなので、光散乱が課題でもありますが、量子ドットは10nm以下のナノ超微粒子で
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